結婚式は、人生のなかでも特別で大切なイベントの一つです。
これまでは、新郎新婦がすべて費用を負担するケースが一般的でしたが、最近は「会費制ウエディング」という新しい形が注目されています。
会費制ウエディングとは、ゲストが参加費として一定の金額を支払い、その会費で結婚式の費用をまかなうスタイルのことを指します。
この方法は、費用の負担が分散できるだけでなく、親族や友人など多くの人が気軽に参加しやすいという特徴を持っています。
この記事では、会費制ウエディングがどのようなものか、メリット・デメリットをはじめ、成功させるためのポイントについてくわしくご説明します。
会費制ウエディングのメリット
1. 結婚式の費用を抑えられる
従来の結婚式では、新郎新婦がご祝儀を期待しつつも、全体の費用を自分たちで用意することが多く、かなりの金額になることもあります。
しかし、会費制ウエディングでは、参加するゲストそれぞれから決まった会費をいただくため、結婚式にかかる費用をゲストとの負担で分散できます。
そのため、新郎新婦の自己負担額は大幅に減り、予算の心配を少なくすることができるのです。
例えば、料理や会場費、装飾などの費用をゲストからの会費でまかなうことで、経済的な負担が軽くなります。

2. ゲストが参加しやすく、負担も軽い
結婚式に参加するゲスト側から見ると、ご祝儀は形式的でもあり、金額の相場も高めです。
そのため、金銭的な負担を感じてしまうこともあります。
一方で、会費制ウエディングは、参加費の額が最初から明確で決まっているため、「いくら用意すればよいかわからず迷う」という心理的な負担が少なくなります。
また、学生や遠方から来る友人など、経済的な事情でご祝儀を包みづらい人も参加しやすくなります。
招待されたゲストにとっても「気軽に参加できるお祝いの場」という印象を持ちやすいことが利点です。

3. カジュアルでアットホームな雰囲気が作れる
会費制ウエディングは、形式やマナーにとらわれすぎない自由なスタイルが特徴です。
招待状の文面や会場の装飾、式の進め方においても、カジュアルな雰囲気で楽しめるように工夫できます。
たとえば、レストランを貸し切ってのパーティー形式や、ご自宅やカフェなどの少人数でもアットホームに祝うスタイルが増えています。
ゲストもリラックスして参加できるため、堅苦しさのない温かい時間を共有できるでしょう。

4. 予算がわかりやすく、計画が立てやすい
会費制の場合、参加者一人あたりの費用がはっきりしているため、全体の予算管理がしやすくなります。
例えば、ゲストの人数が確定すれば、かかる費用の総額をすぐに割り出せるため、追加の費用が発生するリスクも減ります。
また、予算の管理がしやすいため、無理なく現実的なプランを立てやすく、計画段階から安心して準備を進められます。
もちろん、万が一予定人数より増えた場合のために予備の費用を設定しておけば、トラブルを防ぐことが可能です。

会費制ウエディングのデメリット・注意点
1. 会費の設定に悩むことがある
会費制ウエディングの最も難しい部分は、「どのくらいの金額に設定するか」という点です。
会費をあまりに高く設定すると、ゲスト側から「負担が大きい」と敬遠されてしまう恐れがあります。
一方で、会費が低すぎると、結婚式の費用をまかないきれず、新郎新婦が赤字になるリスクもあります。
そのため、地域の結婚式費用の相場や、ゲストの経済的な状況、会場・料理・演出などの費用をしっかり見積もることが必要です。
また、追加費用が発生する可能性がある場合は、その分も含めて予算に余裕を持たせましょう。

2. ゲストに会費制の趣旨を理解してもらう必要がある
日本では昔から、結婚式のご祝儀という伝統的な慣習が根強いため、「会費制で結婚式に招待される」ということを知らない人や、理解しづらい方もまだまだ多いものです。
特に年長の親族や昔ながらの価値観を持つゲストには、事前にしっかり説明をして理解を得ることがとても大切です。
招待状や案内状では、会費制を取り入れた理由やそのメリットをわかりやすく伝え、質問があれば気軽に問い合わせてもらえる窓口を設けるようにしましょう。
このひと手間がトラブルや誤解を防ぐポイントになります。

3. フォーマルな結婚式を期待する人には向かない場合がある
一方で、伝統的なかしこまった結婚式への期待が強いゲストにとっては、会費制のカジュアルなスタイルが不満や物足りなさにつながることもあります。
特に格式を重視する親族や上司、年配のゲストが多い場合は、慎重に検討する必要があります。
そのため、招待するゲストの属性や価値観をよく考え、会費制がふさわしいかを判断することが欠かせません。
場合によっては、会費制とご祝儀制を併用するスタイルもあります。

会費制ウエディングの成功のポイント

適切な会費を設定することが最も大切
会費制成功の鍵は、バランスの良い会費設定にあります。
①まず、結婚式にかかる総費用をできるだけ正確に見積もりましょう。
会場費、料理・飲料費、装飾、案内状やギフト、スタッフの人件費など思い付く限りすべての費用をリストアップします。
②次に、招待予定の人数で総費用を割り、ひとりあたりの最低金額を計算します。
ただし、ゲストの負担感や地域の一般的な相場も考慮し、少し余裕を持って設定することがポイントです。
万が一ゲストが予想より増えた時に対応できるよう備えると安心です。
③ゲストにわかりやすく会費制の仕組みを伝える
会費制はまだ新しいスタイルなので、ゲストに不安や疑問を抱かせないように、説明は丁寧に行いましょう。
招待状には、会費の金額だけでなく、会費制の趣旨やご祝儀ではなく会費で結婚式を開催する理由などを書き添えると親切です。
また、ホームページやSNS、メールなどを活用し、当日の進め方や会費の使いみちを透明にすることもおすすめします。
問い合わせ先や質問窓口も明示し、安心感を持ってもらいましょう。
④カジュアルながらも満足感のある内容に工夫する
会費制ウエディングは自由度が高い反面、料理や演出がシンプルすぎると「おもてなしが足りない」と感じられがちです。
限られた予算のなかでも、ゲストが満足できる料理やドリンク、飾り付けや余興を工夫しましょう。
例えば、地元の評判の良いレストランを貸し切ったり、オリジナルの演出でお祝いの気持ちを伝えたりする方法があります。
プチギフトやメッセージカードを用意するなど、細やかな心遣いも大切です。
⑤参加者に感謝の気持ちを伝える工夫を忘れずに
会費をいただくスタイルだからこそ、招待客へ「来てくださってありがとう」という感謝の気持ちをしっかり伝えることが成功の秘訣です。
乾杯の挨拶やスピーチ、送迎の配慮など、おもてなしの心を細部にまで反映させましょう。
心のこもったおもてなしは、ゲストの満足度を高め、結婚式全体の雰囲気をより良いものにしてくれます。
実例紹介・体験談
たとえば、あるカップルは地方に住む友人や学生も多いため、ご祝儀負担を減らす目的で会費制ウエディングを選びました。
会費は1万5千円と設定し、料理の質には妥協せず、カジュアルで居心地の良いレストランを貸し切りました。
その結果、多くの友人が気軽に参加でき、「堅苦しくなくて楽しかった」という声が多く寄せられました。
ただし、年配の親族には郵送とは別に直接説明を行い、会費制の意図を丁寧に伝えたため、誤解なく当日を迎えられたそうです。このように、ゲストの状況に応じた配慮が大切です。
まとめ
会費制ウエディングは、新郎新婦の費用負担を軽減し、カジュアルで自由なスタイルを楽しみたいカップルにとても向いています。
ですが、会費の設定や招待客への説明、ゲストに満足してもらう工夫など注意すべき点もあります。
まずは、自分たちの理想や招待したい人のことをよく考え、どのような結婚式にしたいかを明確にすることが第一歩です。
会費制のメリット・デメリットを理解し、計画的に準備を進めれば、かけがえのない素敵な一日を作り上げられるでしょう。